アフリカにおけるクラウドファンディング


新たな資金の流れとしてクラウドファンディングが大きく成長しつつある。資金の余剰部分から不足部分へ、インターネットを通した資金の流通は一般的に先進国だけの話なのかと思いがちである。しかし、調べてみるとアフリカにおいても、現在次々とクラウドファンディングサービスが立ち上がっていることがわかった。 


<目次>
1.アフリカにおけるクラウドファンディング市場
2.クラウドファンディングサービス5つ



アフリカにおけるクラウドファンディング市場


2015年、アフリカにおけるクラウドファンディングの市場規模(プロジェクトの調達総額ベース)は全体で$32.3million(約33億円)であった。まだまだ小さい規模であるが、特徴としてはアフリカの経済を支える主体であるSMEsの資金調達が目立つことである。

というのも、全体論としてアフリカや途上国において、日本のような銀行を中心とした間接金融やアメリカのような直接金融も依然として未発達な市場が多い。市場制度の完成よりも早くテクノロジーが進歩しており、ある意味でインフォーマルな形としてクラウドファンディングが発達していくことが想像されるのである。

規制や法制度は全くといって良いほど整備されていないことは重大な問題であるが、スマートフォンの普及とインターネットにかかるコスト低下で、より多くのアフリカ人がクラウドファンディングの恩恵を受けることになるだろう。


実際このような動きは南アフリカでは既に起こっている。(ただし、南アフリカは若干他のアフリカ諸国とは違うので注意が必要ではあるが、、、)

上記の図はアフリカ諸国におけるクラウドファンディングサイトの分布図である。まだまだ広く広まっているとは言えないが、南アフリカにおいては一段と多くのサービスが生まれていることがわかる。シェアとしても、アフリカ全体$32.3Mのうち、$30.8Mが南アフリカで調達されている。


プロジェクト数の内訳を見てみると、下記のように多くが社会的プロジェクトであり、ついでビジネス、Creative&Innovative Projectが多い。若干日本や世界的なアベレージよりも社会的目的のプロジェクトが多いとは言え、全体的な傾向が一致しているのはやはり、クラウドファンディング独自の特性によるものなのかなと思った。

ただし、プロジェクト数が圧倒的に多い Social Causesについても、資金調達額で見てみると下のグラフのようになんとも言えない気持ちになる。


プロジェクト数で三割を占めていたSocial Causesは額ベースで見ると、1%以下なのである。Socialなプロジェクト単位の平均調達額が$1,500であることが大きな理由であるとされているが、それにしても少ない。。。。




上記はアフリカ国内で運営されているプラットフォームであるが、下で見るのはアフリカ外のクラウドファンディングサービスで資金調達されたアフリカ向けの資金をしめしたものである。2015年には全体で$94.6Mを調達しており、国内市場の3倍である。特性的にその目的は主にSocial Causesであり、中でも内訳は下記のようになっている。


これまで援助機関やNGO, NPOなどが担ってきた国際協力的な文脈がクラウドファンディングを一つのきっかけとして民間の資金に代替され始めているのかもしれない。まだまだ、サブサハラアフリカの多くの国ではクラウドファンディングが浸透しているとは言えないが、これからナイジェリアやケニアを中心にアフリカの経済大国で伸びてくるのは間違いないと強く感じた。




クラウドファンディングサービス5つ

そもそもアフリカでは1960年代ヨーロッパの宗主国からの独立し、個別の教育制度を確立していく過程において、例えば田舎の村落では優秀な生徒に対して村人たちが資金を含め様々なサポートを提供し、都会の良い教育を受けさせてきた文化的背景があったという。世界で流行るシェアリングやクラウドファンディングと根本は同じような考え方である。ただし、度重なる悪用や不徳な人間による間違えによって、このような文化が薄れ始めていた。


しかし、 今インターネットやモバイルを中心としたテクノロジーの進歩とともに、本来的なサポートが可能となりクラウドファンディングやシェアリングの可能性というのがアフリカにおいて、ある意味で日本よりも大きく評価されつつあるのだ。

この投稿では主に、下記サイトを参照しつつSMEs(Small and Medium Enterprises)向けの資金調達プラットフォームを5社紹介していく。


1. ABREC.FinanceUtile

Developed by the African Biofuel and Renewable Energy Company (ABREC) – an international organisation founded by African states and financial institutions to promote the continent’s transition to clean energy -, in partnership with French crowdfunding platform FinanceUtile, the platform aims to raise more than just money.
It is intended to support entrepreneurs in the renewable energy space by facilitating the transfer of know-how and technology, while also boosting access to reliable electricity generation in sub-Saharan Africa.

ABREC.FinanceUtile はサブサハラアフリカで再生可能エネルギー分野で活動するSMEsを主な支援対象とするクラウドファンディングプラットフォームである。アフリカの各国と金融機関によって設立されたABRECとフランスのクラウドファンディングFinancUtilとのパートナーシップでスタートしたこのサービスは、単に資金集めだけを目的にするのではなく、エネルギー分野に携わる起業家にノウハウやテクノロジー面でサポートすることによって、大陸全体のエネルギーシフトを促していく。


2. Thundafund

South Africa’s Thundafund deserves the first spot, as one of the continent’s crowdfunding startup veterans.
 Launched in June 2013, Thundafund has thus far raised more than ZAR5.7 million (US$396,000) in crowdfunded money for the campaigns listed on the site. 
 In a bid to further expand the crowdfunding space in South Africa, the startup this year announced a series of free workshops around the country, following a partnership with the Department of Arts and Culture, aimed at encouraging creatives and innovators to use crowdfunding to fund their projects.

南アフリカのサービスであるThundafundは言ってみれば老舗的な感じなのかもしれない。2013年からこれまで総額$396,000の資金を調達しており、市場の拡大に合わせてさらに成長していくだろう。

面白いところは、単純な資金調達ではなく、アートやカルチャー分野に注力しており無料のワークショップなどを開催しているところだろうか。


追記予定

3.LelapaFund

Crowdfunding with a twist: Lelapa Fund encourages raising investment through crowdsourcing, with a focus on enabling African diaspora to invest in, and get involved in, projects in Africa.
While the Lelapa Fund platform helps investors abroad vest directly in pre-vetted African startups – the platform has an inbuilt due-diligence process -, it also allows investors to contribute their skills as well as finances to their chosen ventures. 
 According to co-founder Elizabeth Howard, crowdfunding provides the answer to the lack of access to finance hindering early-stage startups in Africa, while also creating a less-risky inroad for investors looking to invest on the continent.


4.Realty Africa

The first crowdfunding platform dedicated to property investments in Sub-Saharan Africa – Realty Africa – launched earlier this year, offering investors from all over the world the opportunity to invest in the growth and development of the region. 
 The platform looks to provide investors with access to markets that have been historically out of reach, allowing them to invest amounts from US$1,000 upwards. It also allows communities and project developers to raise capital, without high interest payments or collateral requirements.
Realty Africa has established local teams and offices in a number of countries, including the Netherlands, South Africa, Botswana and Zimbabwe.
Under contracts signed with Deloitte and fiduciary service fund Imara, Deloitte’s due diligence team screens each project before it goes live on the platform, while Imara has assisted in drawing up a legal construction which prevents owners from selling their property.


5.Usizo

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