ドローン最先端はアフリカ、ルワンダ?

最近ホットな分野の一つであるドローン。もともとは軍事目的で開発されたものだが、最近では活発な民間企業の参入で小型化、低価格化が進み、撮影や運搬、農業などでの一般利用も盛んになっていきている。最先端領域であるドローンの話を聞いた時に、途上国、ましてやアフリカを思い浮かべる人はまずいないのが正直なところではないだろうか。

仮に私がドローンの最先端はアフリカ、ルワンダにある。と言えばそれはまあ疑わずには入れないだろうか。。。 今回はそんなドローン×アフリカについてのイメージを覆すような事例を紹介していく。




<目次>
ルワンダでのドローンによる血液輸送

世界初のドローン空港はルワンダに


ルワンダでのドローンによる血液輸送

ルワンダはその国土の小ささ(四国ほどの大きさ)とは裏腹に、国内の交通インフラは他の多くの途上国と同様に整備されていない。加えて、Counrty of thousands hills, 千の丘の国と言われるほど地域的に起伏のある土地柄のために、物資の移動など極めて困難な背景状況がある。


特に医療分野において、この地理要因に起因する運搬問題は大きな課題であった。ルワンダは人口1200万人程度の小国であるが、依然として7割近い人々が都心から遠く離れた地域に生活をしている。政府主導で医療システムについても改善を進めてはいるが、まだ適切なサービスを受けれない層は多い。


この問題は決してルワンダに限った話ではなく、世界中で20億人を超える人々が必要不可欠な医療品へのアクセスがなく、多くの場合その理由は地理的な要因やインフラの欠如によるものであるとされている。医療品がないために毎年290万人の5歳以下の子供が死亡し、このうち妊産婦死亡に関わる15万人は母親が安全な血液へのアクセスさえあれば避けられていた。


このような問題解決を目指して、シリコンバレー発のドローンベンチャー、Ziplineは今年の9月ごろからアフリカ、ルワンダにて血液を中心とした医療物資のドローン配達を実用化させた。

百聞は一見にしかず ということで下記の動画をまず観て欲しい。


Zipline は5月、アメリカの運搬会社UPS、 医療系法人Gavi Allianceと提携を結び、UPS基金が持つ血液や医薬品などを世界中に届ける手段としてドローンを活用していくことを目指している。その最初の活動地域がルワンダになり、事業開始に際して$0.8Mの助成金を得た。


ドローンの導入により期待される効果は非常に大きい。最終的にはこれまで数週間、数ヶ月かかっていた血液および医薬品の配達を、数時間で行うことができるドローンネットワークシステムを構築し、医療的な死角をなくす。このためにZiplineは15台のドローンを一日最大150回に飛行させ、血液と緊急医薬品をルワンダ西部の21の病院に配達する方針だ。


プロジェクトに投入するドローンは、GPSとナビゲーションシステムを利用し、荒れた天候や時速48㎞の風が吹く環境でも最大時速100㎞で飛行することができる。一度に運ぶことができる物資の重量は3.5パウンド(1.5㎏)である。血液を配達する際には、低温状態を維持する機能もある。配達を終えたドローンが出発地点に戻ると、バッテリーや配達地の情報が盛り込まれたSIMカードが交換され、すぐ次のミッションに投入される
Cited from https://roboteer-tokyo.com/archives/3661



五年前に設立されたZiplineはこれまでにGoogle Ventures、セコイアキャピタル、スタンフォード大学、ヤフー共同創設者Jerry Yang、マイクロソフト共同創設者Paul Allenなどから$18Mの資金調達を実施している。


世界初のドローン空港はルワンダに


上記で見たようなドローンの活用を含め、現時点で制度的な枠組みが全くできていないのは全世界共通の課題であるかと思う。ここにいち早く取り組み始めることを発表したのは、実はルワンダなのだ。

過去数年にわたり、遠隔操縦航空機システムやドローンの使用が増加。科学、パパラッチ、映画制作など、その利用の裾野は広がり続けている。ルワンダでは、ドローン空港またはドローンポートを設置について、遠隔地への輸送、緊急医療品などの電子部品を供給支援が目的として掲げられている。 


この夏ルワンダに滞在していた際に友人がこのドローン空港を一目見ようと動き回っていたが、残念ながら見つけることができなかった。それほどの機密事項らしい。。

残念ながらドローンに関する専門知識が足りないため、この”空港”がどのように必要で、何の役割を果たすのかがはっきりと掴めていないが、友人曰く、飛行機の管制塔が果たす役割と同じだということである。上空を飛び回るそれぞれのドローンが互いに衝突をしないため、あるいはより効率的な運用を可能とするために必要ということであった。興味のある方は深掘ると面白いのではないだろうか。。


以上、今回はルワンダにおけるドローンの活用事例を見てきたが、すでの他の地域でもこういった社会的な活動に導入されている事例は見受けられる。個人的に強く思っているのは、ここ数年で盛り上がりを見せているテクノロジー分野はどれも途上国における問題解決と相性がよく、このような利用は本質的な技術の意味なのではないかな、、というところである。

今後もテクノロジーや特にスタートアップが途上国開発に如何にインパクトを与えていくかをStartups for Developmentという概念として継続して考えていきたい。

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